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Q6.自社所有の特許権が侵害された場合の対応について

Q4とは真逆の立場ですが、このようなケース(Q6)もよくあります。

事件は侵害警告書から生ずるのが一般的です。

 警告書を侵害者に送付する場合にまず注意しなければならないことは、警告行為が不正競争防止法第2条第1項第14号に規定する「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」に該当する行為と解されておりますので、侵害者以外の会社に警告書を送付することは不正競争防止法に違反する恐れがありますので、その点はご留意下さい。

  また、自社特許権が侵害された場合には通常以下のような対応を致します。

  1. 警告書は通常侵害品(以下イ号製品という)が特許法第70条に該当するや、否やについて検討のうえ警告書を相手方に送付します。
     
      特許権は独占排他権を有しますので、特許権者はイ号製品の製造・販売の差し止め請求及び侵害行為に基づく損害賠償等を求めて裁判所に訴訟を提起します。

     特許権の技術的範囲の解釈基準は特許法第70条に定められており、特許請求の範囲に記載されている構成要件を全て具備していないと特許権の技術的範囲に属さず、権利侵害とはなりません。

     すなわち、構成要件の一部侵害は特許権の侵害行為となりません。

     したがって、イ号製品が侵害になるや、否やは当該特許権とイ号製品を慎重かつ綿密に対比し、構成要件を全て具備しているや、否やについて判断しなければなりません。

     なお、技術的範囲に属するや、否やの解釈基準は特許法第70条に規定されていますが、上記Q4で述べたように最高裁判決(ボールスプライン軸受け事件)で判示した均等論の適用も解釈基準になっておりますので、この最高裁判決も斟酌して権利範囲を確認しなければなりません。

  2. 特許権者が上記1.について検討した結果、侵害行為に該当する、と判断した場合には相手方にイ号製品の製造・販売等の差し止めを求めて期限を定めて警告書を送付しますが、相手方は通常侵害行為を否認致します。

  3. しかしながら、相手方も特許権侵害と警告を受けた場合、警告書を無視することはできず、一般的に当該特許権の無効資料の収集あるいは明細書の記載不備等を探索し、当該特許権の技術的範囲に属さないこと及び当該特許権の無効を
    文書により回答してきます。

  4. 相手方から警告書に対して侵害でない旨の回答を得た場合、何等回答なき場合等には、管轄裁判所、弊所の場合通常東京地方裁判所に対し特許権侵害に基づく差し止め請求及び損害賠償等を求めて訴えを提起します。

  5. 相手方は通常当該特許権に対し、出願前公知資料に基づいて無効審判を請求あるいは特許公報に記載されている明細書及び図面の記載不備等を指摘して当該特許権の無効化を特許庁に請求してきます。

  6. 特許権者は無効審判を請求された場合、当然ながら相手方から提出された出願前公知資料と当該特許権との対比及び記載不備を指摘された場合には明細書の訂正請求あるいは訂正審判等を請求して相手方と争います。

  7. なお、特許法第104条の3には、「特許権者又は専用実施権者の侵害に係る訴訟において、当該特許権が特許無効審判において無効により無効にされるべきものと認められるときは、特許権者叉は専用実施権者は相手方に対し権利を行使することができない」と規定されております。

     すなわち、当該特許権が無効審判により無効になる蓋然性が高い、と認められた場合には権利行使が制限される、という規定で、無効審判で当該特許権を無効化できるような有力な証拠が提出された場合には権利行使ができなくなりますので、ご留意下さい。

  8. 当該特許権の有効・無効を回って特許庁及び裁判所で攻撃・防御が繰り返されますが、事件の勝訴にはクライアントの協力が是非必要です。

     上記のように、裁判所において特許権侵害と認定された場合、相手方はイ号製品の製造・販売の禁止のほか、特許権侵害に基づく損害賠償として億単位の損害賠償金を求められます。

     特に、物つくりの企業においては特許権等の知的財産権を無視して商品を安定供給することは事実上困難かと思います。

     企業の安定経営及び市場への安定供給の観点から知財戦略を再考していただきたいと思います。
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