「讃岐うどん」「青森りんご」が中国で保護されることになりました。
- 「讃岐うどん」を意味する「讃岐鳥冬」なる商標を中国・上海の個人が2006年2月、飲食店などの商標として商標出願され、この商標は公告されました。
また、「青森」(但し、森の文字は水が三つ)の文字とりんごを組み合わせた商標を、新疆ウイグル自治区の果物商が2005年に出願しましたが、この商標も公告されました。
- しかし、「讃岐うどん」は香川県を代表する特産品であることを理由に香川県およびさぬきうどん協同組合などが異議申し立てを行っていました。
また「青森」は日本の著名なりんご産地であることを理由に青森県が異議申し立てを行っていました。
- 中国商標局は香川県の「讃岐うどん」が広く知られた香川県の特産品であることを認め、「誤認を生じやすい」と認定、および「青森りんご」についても「青森は日本の著名なりんご産地」と認定してそれぞれこれら商標登録を拒絶したものであります。
- 中国商標法第13条第1項には次のように規定されています。
「同一または類似の商品について、他人が登録出願した商標が当該未登録の馳名商標を複製し、模倣し又は翻訳したもので、馳名商標と容易に混同を生じさせる場合には、商標登録は認められず、拒絶される。また、その商標の使用も禁止される」と規定されております。
ここで、「馳名商標」とは中国で関係公衆に広く知られ、かつ、高い名声を有する商標と定義されておりますが、我国における「著名商標」に相当する商標です。
我国にもその規定に類似した規定が商標法第4条第10号、第15号および第19号にあります。
- この度の中国の判断は、中国商標法第第13条第1項に基づいてなされたものと思いますが、馳名商標(著名商標)か否かは中国国内において著名か、どうかが判断されるので、異議申し立ての主張・立証は大変だったと思います。
私も周知・著名の立証で争った経験がありますが、この立証は大変な仕事であります。
いずれにしても、「讃岐うどん」「青森りんご」が中国で保護されることは誠に嬉しいことです。
しかし、中国の商標制度においても、「周知・著名商標でなければ、外国の地名でも登録可能であり」、また、「別の意味が含まれる地名も登録可能であり」、この度の審査も必ずしも違法とは言えません。
したがって、「若し、知名度のある日本の地名が登録された場合、異議申し立てや無効審判で争えますので、発見したらすぐに申し立ててほしい」と中国当局は日本側に呼びかけています。
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