きずな国際特許事務所

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中国商標事情

 
 
貴社ブランドは中国で大丈夫ですか
 

2005年11月28日付け日本経済新聞の朝刊をご覧になった方も多くいらっしゃるかと思いますが、私のコメントを加えて若干ご紹介いたします。

(1)  

我が国企業が中国に生産拠点あるいは市場を求めて多く進出していることは周知の事実でありますが、その進出に伴って問題となっているのが、商標、即ちブランドであります。ブランドは企業のグッドウイルが化体したものであって、特に長年にわたって使用し、消費者に信用を得ているブランドの価値は計り知れないものであり、グッドウイルを化体したブランドを変更することは事実上できないものであります。

   
(2)  

中国は我が国と同様先願登録主義を採用しておりますので、先に登録をした方が「勝ち」と言うわけです。このことは貴社ブランドと同一若しくは類似の商標が先に中国で登録された場合、当然ながら貴社ブランドは中国で使用できないことになります。

同紙の報道によると、中国でも知名度が高まっていた「アフロ犬」なるブランドが食品分野で使用できなくなったこと、「クレヨンしんちゃん」「無印良品」等のブランドが希望する商品に使用できなくなり、その対応が深刻になっているとのことです。このような事件は我が国でも一昔前にはあったことで、商標ブローカと称される人が世界の有名ブランドを先回りして登録したり、あるいは街を歩いていて電信柱の商標を見て登録していたと言う話は良くありました。これとよく似た事件が今中国で起きているわけです。

   
(3)  

中国で先願主義の下、貴社商標と同一又は類似の商標が登録された場合、勿論無効
審判等で争うことは可能ですが、相手方の悪意を証明しなければならず、解決に何年かかるか分からないようです。又解決手段として買い取がありますが、その買い取には2,000万〜4,000万、場合によっては億単位の額を要求されるとのことであります。
因みに、中国商標局の統計によると、2004年の中国企業による商標登録件数は200,000件以上と3年前の3割以上増加したとのことであります。

なお、中国は現在世界貿易機関(WTO)に加盟しており、政府も知財保護の要求に対応して取り締まりや規制強化を図っておりますが、その対応に追いつかないようです。

   
  弊所コメント

弊所のクライアントであるアパレルメーカは商品の一部をコストの関係で中国企業に生産を委託し、日本に逆輸出しておりました。その時問題となったのは、ブランドの「タグ」を中国、あるいは日本のいずれで付するかと言う点でしたが、やはりコストの関係上中国で付した方が得という結果になりました。そうなると、中国で商標を取得せざる得なくなりましたが、その際のコストですが、パリ条約等種々検討致しましたが、その結果、原則として現地代理人の費用を要さず、かつ審査機関も短いという理由でいわゆる「マドプロ」に出願に基づき中国で商標登録を得ました。

若し、貴社において中国進出を企画しているならば、何をおいても貴社ブランドの商標登録を早急に検討し、かつコスト、時間を考慮すると「マドプロ」出願もその選択肢かと思います。

   

弊所クライアントである電気メーカが中国進出に当って問題となったのが、やはり
ブランドでした。そのブランドは世界的にも有名でありますが、中国の部品メーカが製造した品質の悪い部品に偽ブランドを付し、ユーザであるメーカに販売したとのことです。しかし、その後ユーザであるメーカから弊所クライアントに苦情が殺到しその対応に追われ、偽ブランドの排除に相当の時間と費用を要したとのことです。

なお、最近は中国製品も品質が向上し、ユーザは偽ブランドであることを承知の上、購入するようになったので前より始末が悪い、と担当者はぼやいておりました。
   

メーカはとかく技術重視になる傾向がありますが、製品が市場でブランドを付して取引の対象となるような場合には、商標保護を是非お考え頂きたいと思います。「技術やブランド」に国境はありません。

 
 
担当(弁理士 和田 成則