きずな国際特許事務所

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PCT改正について


PCT改正について
日本のPCT自己指定に関する規則改正その他
 

2005年の第34回PCT同盟総会(2005年9月26日〜10月5日開催)でPCT規則の改正が採択されました。
採択された主な規則改正は下記の6つです。その内の2つは2006年4月1日から施行され、残りの4つは2007年4月1日から施行されます。

 
(1) 2005年4月1日から施行される改正規則
 
(ア)

全指定制度の例外の我が国への適用(日本の指定を外すことができるようになりました。

・・・規則4.9)
 

国際出願の願書に、日本の指定を除外するためのチエックボックスが追加されます。
現行規則下では、ドイツ、韓国及びロシアの指定を除外することしか出来ませんでしたが、2006年4月1日から使用される新しい願書では日本の指定を除外することも出来るようになりました。

このチエックボックスを利用することにより、国際出願の出願後において国内優先権主張の取り下げや日本の指定の取り下げの手続を行なう必要がなくなります。

   
(イ) 国際公開に関する規則の改正
(規則48、86)
  • 国際公開言語にアラビア語が追加されます。

  • PCTガゼット(公報)は原則としてWIPOウエッブサイトで電子的に公開されます。

  • 規則4.7の関する申し立てが全て公開されることになりました。従来は「新規性喪失の例外に関する申し立て」のみが公開されていました。

  • これにより、国際公開に利便性が高まることとなり、さらにWIPOのウエッブサイトの充実化が図れることが期待されます。

 
(2) 2007年4月1日から施行される改正規則
 
(ア) 優先権の回復
(規則26の2、49の3等)
 

本制度は、優先期間の12ヶ月を徒過して出願された国際出願であっても、後の出願たる国際出願が優先期間の満了から2ヶ月(優先日から14ヶ月)以内に提出されたのであれば、所定の条件の下に優先権の回復を認める制度です。
これにより、優先期間を徒過した場合にもPCT出願をすることによって、パリ条約上の優先権が認められる可能性が開かれることになります。

 
(イ) 国際出願の欠落要素及び欠落部分
(規則4.18、20等)
 

本制度は、国際出願時に欠落した要素(明細書、特許請求の範囲)または、欠落した部分(要素の一部分、図面の全部又は一部分)が国際出願日後に提出された場合、その欠落要素等が当該国際出願の優先権基礎出願に完全に含まれていることを条件に、国際出願日を繰り下げることなく当該欠落要素の補完を認めるというものです。
これにより、たとえば明細書のページが欠落している場合や図面を添付し忘れた場合でも、国際出願日を維持しつつ、書き忘れた部分等を回復することができるようになります

 
(ウ) PCT最小限資料の追加
(韓国語特許文献 規則34)
 

韓国語特許文献は、英語の要約が入手可能なものについては、国際調査機関における最小限資料となります。たとえば、日本の出願人が欧州特許庁を調査機関として国際出願をした場合、サーチレポートにおいて韓国語文献が引用されるようになります。

 
(エ) 明白な誤記の訂正
(規則91)
 

本改正では、従来の「誰でも明白な誤り」という要件が「管轄機関にとって明白な誤り」に改められました。これにより、明白な誤りの訂正が認められる範囲の適正化が期待されます。

 
(オ) PCT規則改正における留保
 

「優先権の回復」並びに「国際出願の欠落要素及び欠落部分」に関する改正規則については留保が認められております。従って、これらのPCTの規則改正がPCT同盟総会で決定されたからといって全てのPCT同盟国で規則改正が効力を有するという訳ではありません。

よって、どの改正規定がどの国で留保されているのかについては、規則改正が発効となる2007年4月1日以降の各時点において、個別に調べて対応する必要があります。

なお、PCT規則改正における留保では、A国が留保した規則であっても、B国が留保していなければ、A国の出願人はB国において改正規則の適用を受けることができます。

たとえば、A国が優先権の回復に関する規則改正を留保し、B国が留保しない場合、A国の出願人はB国への国内移行に関しては優先権の回復を請求することができます。

 
(パテント Vol.59引用
  担当(弁理士 和田 成則