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不正競争防止法(平成17年11月1日)の改正概要


不正競争防止法(平成17年11月1日)の改正概要
 

日本経済新聞の2005年10月31日付け朝刊でも紹介されましたが、この度不正競争防止法は特に営業秘密の保護強化のため、罰則規定が下記のように大幅に改正されました。

 
<改正内容>
  (第21条第1項8号)
 
 

営業秘密を保有者から示されたその役員又は従業者であった者であって、その不正の競争の目的で、その在職中に、その営業秘密の管理に係る任務に背いてその営業秘密の開示の申込みをし、又はその営業秘密の使用若しくは開示について請託を受けて、その営業秘密をその職を退いた後に使用し、又は開示した者(第6号に掲げる者を除く)。

  (第21条第4項)
 
  第1項第4項又は第6号から第9号までの罪は、詐欺等行為若しくは管理侵害行為があった時又は保有者から示された時に日本国内において管理されていた営業秘密について、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
(第21条第1項)
 

次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは5百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(第22条)
 

法人の代表者・・・(中略)その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して本状の罰金刑を科する。

(第22条第1項 第2号)
 
 

前条第1項第4号、第5号、第9号又は第10号  1億5000万円

 
 

<解説>

ここで「営業秘密」について、不正競争防止法第2条第6項において、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう」と定義されている。
すなわち、この度の法改正によって「営業秘密」を国内あるいは国外で漏洩した場合には、個人とともに採用した法人も罰せられという両罰規定が採用され、かつその罰則規定が上記のように大幅に強化されました。

 
   
<弊所コメント>
 
 (1)

この度の法改正により、「営業秘密」を漏洩した個人は5年以下の懲役若しくは5,000,000円以下の罰金または「営業秘密」を有する個人を採用した企業も150,000,000円以下の罰金に処せられますので、退職者および退職者を採用する会社は十分ご注意下さい。

 
 
 (2)

一方、会社の技術情報 製造・販売上のノウハウ 顧客リスト等の秘密情報は秘密情報として管理されていなければ、この法律の適用はありません。ここで問題となるのは、「管理」という意味ですが、一般的にはそれらの情報が施錠可能な「ロッカー」「金庫」の中で秘密の状態で「管理」されていることと解釈されておりますが、できれば会社としては会社役員 開発・営業担当者等とは秘密保持契約を結ぶべきかと思います。

 
 
 (3)

弊所においても、会社役員が退職した後の「営業秘密」について、相談を受けたことがありましたが、そのケースの場合、「営業秘密」が管理されていたとは、とても認められなかったため、事件の提起は断念せざるを得なくなりました。

 
担当(弁理士 和田 成則