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平成26年 特許法等の一部改正について


法律改正のご案内

平成26年 特許法等の一部改正について

 

1.背景

 特許庁は今後10年で世界最高の「知的財産立国」を目指すこととしている「日本再興戦略」及び「知的財産戦略に関する基本方針」(いずれも平成26年6月閣議決定)の着実な実行のためには、知的財産の更なる創造・保護・活用に資する制度的・人的基盤の早急な整備が必要との認識のもと、この度特許法等の一部が改正されました。

2.改正法の概要

 この度の改正は国際的なハーモナイズのもと、特許法(救済措置の拡充及び異議申し立て制度の復活)、意匠法(複数国に意匠を一括出願するための規定の整備)、商標法(保護対象の拡充及び地域団体商標の登録主体の拡充)等の改正による制度的基盤の整備を行うとともに、弁理士法(弁理士の使命の明確化・業務の拡充)の改正により人的基盤の整備を行うことを目的とするものであります。

3.法律改正の概要

3−1 特許法の改正

(1) 救済規定の拡充
 国際的なハーモナイズのもと、ユーザーに止むを得ない事情、例えば東日本災害事件等の災害が発生した場合、特許料等の手続期間の延長を可能とする期間を整備するとともに、救済規定を拡充しました。

(2) 特許異議の申立て復活
 この度の改正により異議申立て制度が復活しました。
 特許無効審判制度(請求について期間の制限がない)に加え、申立期間を権利化から6か月内に制限すること等により強く安定した権利を確保することを可能とし、かつ利害関係の有無に拘わらず誰でも異議申し立てが可能となりました。また、異議申し立ては全件書面審理のみに限定されていますのでご注意下さい。
 なお、無効審判制度は利害関係人に限り請求できますが、口頭または書面審理により審理されます。

3−2 意匠法の改正

 この度の改正で複数国に対し、意匠を一括出願することが可能になりました。
 他国において意匠権を取得するためには、従来国ごとに出願しなければなりませんでしたが、他国において低コストに意匠権を取得できるように「ジュネーブ改正協定(現在、加入を検討中の「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」)に基づき複数国に対して意匠を一括するための規定が整備されました。
 すなわち、日本国特許庁を経由して複数国への一括出願が可能となり、国際出願に係るコストを低減することできます。

3ー3 商標法の改正

(1) 現在商標法の保護対象は文字、図形、記号、若しくはそれらの結合と限定されており ましたが、この度の改正により保護対象を色彩や音といった従来わが国では保護されていなかった「新しい商標」を保護対象とすることになりました。

(2) 地域団体商標の登録主体の拡充
 地域ブランドの登録主体は従来事業協同組合等のみでしたが、この度の改正により商工会、商工会議所、特定非営利活動法人(NPO)も地域団体商標の登録主体に追加されました。

3−4 弁理士法の改正

(1) 弁理士の使命の明確化
 この度の改正により弁理士の使命として「知的財産に関する専門家」として、弁理士がわが国の経済及び産業の発展に資すべきことが明確化されました。

(2) 弁理士業務の拡充
 発明に付いて出願以前のアイデア段階での相談業務ができる旨の明確化や「ジュネーブ協定改正協定」及び意匠法に基づく他国への出願手続の代理業務の追加等の規定の整備がなされました。

(3) 利益相反行為の緩和
 弁理士が特許業務法人の社員等として当該法人に所属していた期間内に当該法人が関与した事件にはついては、当該法人を退職した後においても弁理士がこれを扱うことができないという制限がありましたが、この度の改正により一定の条件の下、当該業務法人を退職したのちにも扱うことができるようになりました。

4.付則

この法律は平成27年4月1日から施行予定です。
注 1.地域団体商標の登録主体の拡充については平成26年8月1日からすでに施行されています。
2.「ジュネーブ改正規定」に基づく一括意匠出願については施行日が未定とのことであります。
上記1.2は平成27年1月20日特許庁確認済み。

(担当 弁理士 和田成則)