きずな国際特許事務所

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法律改正のご案内

平成23年特許法等改正(平成24年4月1日施行)の概要

 

改正事項

  1. 料金負担の軽減
  2. 新規性喪失の例外適用の対象拡大
  3. 通常実施権等の対抗制度の見直し
  4. 冒認または共同出願違反の出願に係る救済措置規定の新設
  5. 訂正審判および訂正請求の範囲の見直し等
  6. 審決取消訴訟提起後に訂正審判請求の禁止
  7. 無効審判の確定審決の第三者効廃止
  8. 再審の訴え等における主張の制限
  9. 出願人および特許権者の救済手続の見直し
  10. 商標法の改正事項

1.料金負担の軽減

 
(1)中小企業等の特許料減免制度拡充
  1. 特許料の減免対象者の資力要件が緩和され、減免対象者が拡大されました(特許法第109条、第195条の2)。
  2. 職務発明や予約承継の要件が廃止され、承継方法を問わず、上記資力要件を満たしていれば減免適用を受けられるようになりました(特許法第109条、第195条の2参照)。
  3. 特許料の減免期間が、平成23年度以前の1〜3年から、1〜10年に延長されました(特許法第109条)。
(2)国際出願における手数料の減額
  1. 国際出願の送付手数料、調査手数料、調査の追加手数料、予備審査手数料および予備審査の追加手数料が、20〜30%程度、引き下げられました(国際出願法第8条第4項、第12条第3項および第18条第2項)。
(3)意匠登録料の減額
  1. 11〜20年目の意匠登録料が、平成23年度以前の各年33,800円から、各年16,900円と半額に引き下げられました(意匠法第42条)。

 

2.新規性喪失の例外適用の対象拡大

 

 試験の実施、刊行物への発表、電気通信回線を通じての発表、特許庁長官が指定する学会での文書発表、特許庁長官が指定する国際博覧会における出品でのみ認められていた発明の新規性喪失例外適用の対象が拡大されました。
 特許を受ける者の行為に起因していれば、新規性喪失例外が適用され、学会や博覧会出品が特許庁長官の指定するものに限定されなくなるとともに、販売や記者会見、テレビ等で発表された発明についても新規性喪失例外が適用されるようになりました(特許法第30条第1項および第2項)。
 一方、内外国特許庁への出願行為に起因して特許公報等に掲載されて公知になった発明は、新規性喪失例外の適用対象にはならない旨が条文上明確になりました(特許法第30条第2項かっこ書き)。なお、意匠法においても同様に明確になりました(意匠法第4条第2項かっこ書き)。

3.通常実施権等の対抗制度の見直し

 

 通常実施権は登録が第三者対抗要件でしたが、登録することなく対抗(当然対抗)できるようになりました(特許法第99条)。
また、仮通常実施権も同様に登録することなく対抗できるようになりました(特許法第34条の5)。

4.冒認または共同出願違反の出願に係る救済措置規定の新設

 

 冒認や共同出願違反の特許は、真の権利者が無効審判により無効にすることしかできませんでしたが、その特許を真の権利者が取り戻すことができるようになりました。
つまり、冒認や共同出願違反の特許は、真の権利者が特許権者から移転請求できるようになりました(特許法第74条)。
 また、真の権利者に移転した後は、その特許が冒認または共同出願違反の無効理由に該当しないようになっております(特許法第123条第1項第2号および第6号のかっこ書き)。

5.訂正審判および訂正請求の範囲の見直し等

 

 訂正審判および訂正請求を、請求項ごとに請求できるようになりました(特許法第126条第3項、第134条の2第3項)。
 ただし、一覧性の欠如を防ぐために、ある請求項の記載を他の請求項が引用する場合には、これらの請求項を「一群の請求項」とし、一体不可分に扱われます。
あわせて、請求項ごとに審判の請求がされた場合における審決の確定範囲が明確にされました(特許法第167条の2)。

6.審決取消訴訟提起後に訂正審判請求の禁止

 

 特許無効審判の審決取消訴訟提起後、原則90日以内は訂正審判の請求が可能でしたが、技術的内容の判断を経ずに裁判所と特許庁との間を事件が行ったり来たりする、いわゆるキャッチボール現象を防ぐために、上記審決取消訴訟提起後の訂正審判請求が禁止されました(特許法第126条第2項参照)。
 一方、特許無効審判で事件が審決をするのに熟した時点で審判官合議体が「審決の予告」を行い、これを踏まえた訂正の請求が行えるようになりました(特許法第164条の2)。

7.無効審判の確定審決の第三者効廃止

 

 無効審判の確定審決の効力がおよぶ対象が当事者および参加人に限定されました(特許法第167条の2)。
 なお、当事者および参加人であれば、審決が確定したことは登録によらずとも判るため、登録の要件も廃止されました。

8.再審の訴え等における主張の制限

 

 当事者は、侵害訴訟や補償金支払請求訴訟の判決確定後に、これらの訴訟(仮処分命令および仮差押命令の債権者に対する損害賠償および不当利得返還請求訴訟を含む)の再審において、無効審決や訂正審決が確定したことを主張できないこととなりました(特許法第104条の4)。

9.出願人および特許権者の救済手続の見直し

 
(1)特許料および割増特許料の追納要件および期間の緩和

 特許料および割増特許料の追納期間を徒過した場合であっても、天災地変等の責めに帰すことができない理由のみならず、本人の病気入院やシステムトラブル等の正当な理由があれば、追納できるようになりました(特許法第112条の2)。
 また、期間経過後6月以内であって理由がなくなってから14日以内であった追納可能期間が、期間経過後1年以内であって理由がなくなった日から2月以内に拡大されました。

(2)外国語書面出願および外国語特許出願の翻訳文提出期間に関する救済規定の新設

  外国語書面出願および外国語特許出願の翻訳文についても、提出期間徒過した場合に、正当な理由があれば、期間経過後1年以内であって理由がなくなった日から2月以内に翻訳文の提出が認められるようになりました(特許法第36条の2第4項、第184条の4第4項)。

10.商標法の改正事項

 
(1)博覧会指定の廃止
  1. 出品時の特例に関し、特許庁長官が指定する博覧会でなくても、特許庁長官の定める基準に適合していれば、適用が受けられるようになりました(商標法第9条第1項)。
  2. 登録要件においても、特許庁長官の定める基準に適合する博覧会の賞と同一または類似の標章を有する商標は登録を受けられなくなりました(商標法第4条第1項第9号)。
(2)商標権消滅後1年間の登録制限規定の廃止

 登録無効審判や権利の放棄等により商標権が消滅した場合に、権利消滅後1年間登録を受けることができないとされていた平成23年法改正以前の商標法第4条第1項第13号が削除され、直ちに商標登録が可能となりました。

(担当弁理士 小松 秀彦)