きずな国際特許事務所

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事例5


案件事例ファイルVol.5 海外とのライセンス契約・輸出でも現地特許の取得は必須!
 
状況

 E社はソフトカプセルの機械を製造・販売する機械メーカーですが、この技術分野は大手企業が余り手を出さない技術分野と聞いており、その技術内容は公開とともに世界中に広く知れ渡るとのこと、我国においても数件の特許権を取得しております。
 E社の開発したソフトカプセル製造機械は、その技術内容が注目され、近年US、EP、中国、韓国等*1のメーカーからライセンス契約あるいは輸出の引き合いがきており、その関係もあって我国においては特許出願と同時に早期審査*2を請求し、この発明は我国で特許権を取得しております。
 E社はこの特許権をベースに上記の各国に特許出願した結果、US、EP、韓国においては既に特許権を取得しており、近々中に中国における特許権も取得することができるものと期待しております。
 E社が当該発明について外国出願した理由は上記のような理由からですが、外国企業とライセンス契約を締結する場合あるいは輸出する場合等には当該国において特許権を取得することは必須であります。仮に当該国において特許権を取得していない場合、当該国におけるライセンス契約の対象が不明瞭となり、また当該国において第3者が特許権を取得した場合、当該国において特許権侵害行為となり、輸入禁止となるケースもあります。
 特に、商社が絡んだ場合には輸出国での特許権取得を条件とすることがある、と聞き及んでいますが、いずれにしてもライセンス契約あるいは輸出する場合には紛争を未然に防止する観点からも外国出願は不可欠かと思います。
 このようなケースは商標についても言えます。弊所クライアントに部品メーカーがありますが、その部品には「商標」が刻印されており、製品とともに世界各国に輸出されております。弊所では輸出国と考えられる約30ヶ国位にその商標を出願し、商標権を取得しておりますが、過日商標権を取得していなかった国から商標公報が弊所あて提示されました。*3
 私としては商標権取得の動機が不明瞭であるため、E社と相談の上現在静観しているところでありますが、いずれにしても外国企業とライセンスする場合あるいは商品輸出する場合には特許権および商標権の取得に留意する必要があります。

注釈  
*1…

「US」や「EP」は国や地域の略語表現で、それぞれ「米国(US)」「欧州(EP)」を示す。
知的財産の世界においては、例えば「USパテント」や「EP出願」などのように使用される。

*2… 「早期審査制度」とは、一定の要件のもと、通常よりもかなり早く対象の出願を審査する制度である。この制度を利用することにより、通常は平均28.7ヶ月を要する審査期間が、平均1.7ヶ月程に短縮される(2011年版の特許行政年次報告書より)。
また、この制度を活用したケースとして、当コンテンツの事例7を参照されたい。
*3…

この部品メーカーが商標権を取得していなかった国の特許事務所より、「貴社のロゴとよく
似た商標が第三者に取られていますよ」旨の情報の提供があった。その第三者がいかなる目的(高額での商標買い取りを迫る?メーカーの事業展開を妨害?)で商標権を取得したかは不明。