きずな国際特許事務所

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濾過事件

判例34濾過事件

本件事件は判例33に続く知財高裁判決で、この判決は特許庁の審決を認め、原告の請求を棄却したものです。

   pdfファイル平成27年(行ケ)第10068号判決文(PDF/7,176Kb)   

<弊所コメント>

  1. 本件事件は判例33で紹介した事件の知財高裁判決で、基本的には先の判例33と同趣旨の内容です。
  2. この度の知財高裁判決においてもシール手段と、これに当接する摺動面を有する部材を一体化することについて動機付けがない。
     濾過ドラム20、シーリングガスケット66及び側板15Aを一体としたものとした半完成品を汚濁液貯蔵曹12内に交換可能に配置することは、当業者が容易に想到することができたものとはいうことはできず、本件審決における本件発明1に係る進歩性の判断に誤りはない、との判断は正鵠を得たものであります。
  3. 特許権は特許庁審査官により審査を受けた後付与される独占権であって、一端権利が発生すると、その権利を無効化するためには出願前の公知資料を調査・検索しなければならず公知資料、すなわち証拠の収集は実務上極めて大変で相当な時間と経費を要します。
     おそらく、本件事件においても原告は証拠の収集に相当のエネルギーを費やしたものと思います。
    私ども弁理士は時折発明の内容が特許性を有するや、否やについて回答を求められることがありますが、弁理士が正確な回答をすることは事実上不可能であり、その際には出願と同時に早期審査を勧め、特許庁の判断を求めることがあります。
     発明製品の実施化を考えており、かつ将来事件の発生を回避したいとお考えの場合には先ず出願することをお勧めします。仮に当該発明が拒絶になった場合にも必ず引用文献、つまり証拠がありますので、その証拠はその後の事件に対して有効に作用致します。
(担当 弁理士  和田 成則)

注 注目すべき判例について従来判決の要旨部分を抽出・要約して弊所コメントを加えておりましたが、判例23からは事実関係を明確にするため判決全文を掲載して弊所コメントを加えました。ご了承下さい。

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