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「ハイバーテック」事件

判例32「ハイバーテック」事件

本件事件は審査段階で拒絶された事件を審判事件で覆した商標登録された事件です。

   pdfファイル事件番号   不服2014―14211号審決(PDF/566Kb)   

<弊所コメント>

  1. 本件商標は当初「Hivertec」と出願されましたが、審査段階で「ハイパーテック/HYPERTECH」なる商標が引用され、両商標は類似商標と判断されて拒絶査定となったケースです。
  2. 弊所は拒絶査定後、請求人から相談を受け、本件商標は会社創業以来長年にわたり継続使用しているものであるから、今さら変更できない、旨の回答があり、請求人と種々検討した結果、使用商標は「図形」と「文字」とを組み合わせて継続使用している、結合商標であります。

  3. そのような事実関係が明確になったことで、本件商標は「図形」と「文字」との組み合わせからなる結合商標として再度出願致しましたが、審査段階では先の引用商標が引用され、拒絶査定となりました。

  4. 私としてはこの拒絶査定に承服できなかったため、請求人と相談・協議のうえ、不服審判を請求した次第です。
    審判請求段階では、本件商標は「図形」と「文字」からなる結合商標であるから、引用商標と本件商標とは外観上顕著に異なり、また両商標からは特別な観念は生じ得ない。
    更に、本件商標と引用商標の称呼について検討するに、本件商標はその構成から「エイチブィ」印の称呼も生ずる、と主張、よって引用商標とは称呼上も異なると主張しました。

  5. しかし、審決において、注目すべき点は両商標を比較した場合、両商標の差異は第3音の「バ」と「パ」であるが、該差異音は、強く響く破裂音であり、かつ、長音を伴って明瞭に発音されるものであるから、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合、語調、語感を異にし、互いに識別し得るものであり、称呼上も異なると判断され、登録査定となったケースです。

  6. 本件商標は、会社創業以来長年にわたり継続使用しているものであり、その事実も証拠として提出致しましたが、その点も類比判断において考慮されたのではないかと思います。

(担当 弁理士  和田 成則)

注 注目すべき判例について従来判決の要旨部分を抽出・要約して弊所コメントを加えておりましたが、判例23からは事実関係を明確にするため判決全文を掲載して弊所コメントを加えました。ご了承下さい。

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